
kawakami yayoi / Customer Director川上弥生
もともと好きだったスポーツに関わる仕事を志し、ルーツ・スポーツ・ジャパンに出会った川上弥生。インターン生として参加したイベントの楽しさに魅了され、新卒で入社して以来、一貫してカスタマーディレクターを担当しています。カスタマーディレクターの業務内容ややりがいについて聞きました。
インターンでの体験が入社のきっかけ

学生時代からスポーツが好きで、野球観戦を楽しんだり、バスケットボールやハンドボールで汗を流したり、様々なスポーツに親しんできました。大学では経済学を専攻したので、そこで学んだマネジメントの知識と、自分の大好きなスポーツを結びつけられる仕事に就きたいと考えるようになりました。
その思いを形にするきっかけとなったのが、インターンシップの説明会です。そこでルーツ・スポーツ・ジャパン(以下、RSJ)を知って興味を持ち、インターン生として受け入れてもらいました。初めて関わったイベントは「東京ドイツ村駅伝」。このイベントがRSJに入社するきっかけになったとも言えるくらい、印象的なものでした。
イベント当日の集合時間は早朝で、受付や表示物の設置など、1日じゅう動き回っていたので体力的には大変でした。でも、イベントが終わったときは心から「楽しかった」と思えたんです。駅伝という厳しい競技でありながら、イベント中には参加者が楽しめるような、遊び心あふれる工夫がたくさんありました。楽しんで参加されている方々を見て、お手伝いに来ているはずの私自身が、参加者と同じくらいワクワクしていることに気づきました。「自分の知らない、新しい世界があった」と衝撃を受けたことを、今でも覚えています。
イベント後、「もっとこの仕事に関わりたい」と思い、インターンからアルバイトへとステップアップしました。週2日ほど出勤し、イベント当日の受付はもちろん、参加者へお送りする書類の封入作業、案内表示の作成、アンケート集計など、裏方の業務も手伝わせてもらいながら運営について少しずつ学んでいきました。 そして就職活動の時期、偶然にもRSJでカスタマーディレクターの枠が空いたことを知りました。既に他のスポーツ関連企業から内定をいただいていましたが、心から「楽しい」と思える仕事をしたいと思い、新卒入社することを決めたんです。
イベント開始前から終了後まで幅広い業務に携わる
入社以来、カスタマーディレクターとして、イベントの開始前から終了後まで一貫して参加者のサポートをしています。
カスタマーディレクターの仕事は、イベント開催が決定した後、まず参加者エントリーのWebサイトを構築するところからスタートします。ただサイトを作ればいいのではなく、どのような表現や情報があれば安心して申し込めるのか、参加者のことを考えながら丁寧に構築していくのがポイントです。
エントリーが始まると、電話やメールでの様々な問い合わせに対応する日々が続きます。並行して、マーケティングチームと集客の戦略を考えたり、記念品の選定などを進めたりもします。
エントリーが締め切られると、イベント本番に向けて準備は一気に加速。参加者リストの整理、ゼッケン番号の割り振り、参加者への書類郵送など、地道で細かいチェックが必要な作業が続いていくので、根気と粘り強さが大切です。

イベント当日は、受付に立ちながら、イベントが滞りなく進行できるようにスタッフの方々を含めてディレクションします。参加者と直接交流できる機会なので、私はこの時間がとても好きですね。
イベントが終わった後は、参加者にお礼のメールを送り、アンケート結果を集計して次回への改善点をまとめた報告書を作成。このように、最初の告知から終了後のフォローまで参加者と向き合い続けるのがこの仕事の大きな特徴です。
たくさんの個人情報を扱いますし、発送作業など地道な業務も本当に多いので、コツコツと丁寧にやり遂げる力が求められます。同時に、参加者や社内メンバーなど人と関わることも多い仕事なので、人とのコミュニケーションを楽しめる人ほど向いている仕事だと思います。
参加者のために、細部まで「丁寧さ」を忘れない
この仕事のやりがいは、やはり参加者の声を直接聞けることにあります。当日に参加者の方から「ありがとう」と声をかけていただける瞬間は、何よりも嬉しいものです。準備段階では膨大な作業に追われることもありますが、私はその一言で苦労が報われます。
RSJでは「三方よし」の考えを大切にしています。参加者、イベントを開催する地域、そして私たち主催者。この三者がみんなハッピーになれる関係性を目指す、という意味です。参加者や地域の方と直接交流する機会が多いカスタマーディレクターは、まさに三方よしの関係が循環していることを実感できるポジションです。
もちろん、良いことばかりではありません。参加者に一番近い存在だからこそ、厳しいご意見やクレームを直接受けることもあります。特につらいのは、天候不順でイベントを中止せざるを得なくなったときです。参加者の安全を第一に考え、苦渋の決断で中止することもあります。その際は真摯にお詫びし、説明を尽くすしかありません。心苦しい気持ちになりますが、私たちの重要な仕事だと捉えています。
私がここまでカスタマーディレクターを続けてこられたのは、会社の環境も大きいと思います。RSJには、心から尊敬できる先輩たちがたくさんいるんです。仕事の段取り、参加者への心遣い、細部にまでこだわる姿勢など、先輩たちの働く姿から数えきれないほど多くのことを学びました。
その中でもカスタマーディレクターとして特に大切にしているのは、「丁寧さ」です。一見華やかに見えるイベント事業ですが、それを支えているのは、小さな作業の細部までこだわりを持ち、コツコツとやり遂げる姿勢です。この丁寧さこそが、RSJのイベントを支える核なので、後輩や新人に継承していきたいです。
今後もカスタマーディレクターとして貢献したい

プライベートでの変化も、仕事への向き合い方に影響を与えています。私はもともと東京に住んでいましたが、数年前に栃木県に引っ越しました。移住して感じたのは、地域にスポーツ文化が根付いていることです。東京にいた頃よりも、プロのスポーツチームや自転車競技などを身近に感じられるようになりました。
そしてこの環境の中で「自分の住んでいる地域でイベントを開催してみたい」という新たな思いが芽生え始めています。子どもが生まれたこともあって、子どもたちが楽しめるスポーツイベントや、自転車の魅力を伝えるような普及活動を企画してみたいです。
私自身は、出産のためにまた1年ほどお休みに入るのですが、復帰後も変わらずにカスタマーディレクターを続けたいと思っています。地道な作業も、参加者と向き合う楽しさや難しさも、全て含めて自分に合った仕事だと感じているからです。この仕事に軸足を置きつつ、今までの経験を生かして他部署のサポートも積極的に行えるようになりたいというのが今後の目標ですね。社内で「困ったときは相談してみよう」と思っていただけるような存在になれたら嬉しいです。

【聞き手・執筆/落合真彩(フリーライター)】