[事業紹介]クリエイティブディレクター
地方の魅力に触れながら自転車やランのロードレースを楽しめるスポーツイベントの企画・運営を行うルーツ・スポーツ・ジャパン。同社をクリエイティブの面で支えているのが、クリエイティブディレクター吉田美南さんです。スポーツツーリズム×地域活性化を通じて日本国内におけるスポーツの浸透を目指すルーツ・スポーツ・ジャパンの活動について、また、活動を支えるクリエイティブディレクターの仕事について、吉田さんに聞きました。 【聞き手・執筆/株式会社Yuinchu・八田吏(mugichocolate株式会社)】
吉田美南
株式会社ルーツ・スポーツ・ジャパン クリエイティブディレクター
学生アルバイトを経て2012年、入社。入社以来一貫して同社のクリエイティブ制作に携わる。根っからの旅好き、イベント好き、自転車好き。仕事のモットーは、先陣を切って開拓し、チャレンジすること。そして、想像してたものが形になることが一番の喜びです。なにかをつくること全般が好きです。
-まず最初に、ルーツ・スポーツ・ジャパンについて教えてください。
吉田:現在おもに日本各地で自転車を中心としたロードレースやファンライドイベントの企画運営を行っている会社です。私たちのミッションは、日本にスポーツを根付かせること。「見るスポーツ」「やるスポーツ」「支えるスポーツ」の三方良しの実現を目指しています。具体的には、イベントのコンセプトづくりや全体設計、ポスターや配布物など印刷物の制作、当日のイベント運営まで、ワンストップで手がけています。
大切にしているのは、地域の特性を生かしたイベントをつくること。「自転車を使って何かをやりたい」という声を受けて現地に何回も足を運び、「どんな面白いことがあるだろう?」と、その地方の風物や歴史を紐解いて、それらをもとにコンセプトをまとめていきます。
2012年から石川県加賀市で開催している「温泉ライダーin加賀温泉郷」は、地元の加賀の方々の、温泉街をロードレースでつなぐアイディアが元になりました。自転車に乗って温泉に浸かって、また自転車に乗って、というのをやってみたい!と最初に思い描いた絵があって、それを地域の方と一緒に形にしていきました。
-地方でのイベント開催の魅力はどんなところにありますか?
吉田:「温泉ライダーin加賀温泉郷」では、地域のみなさんには温泉地としてできることをたくさん考えていただきました。その中から、温泉まんじゅうを参加者全員にふるまうとか、温泉が無料で入れるチケットを配布するといった「ふるまい」のスタイルが生まれたんです。加賀のイベントのマインドを他の地域の企画でも引き継いで、レース運営の基本である「安全に楽しんで帰ってもらう」と共に、「もてなす」が大きなキーワードになりました。
自分の地元のことなので、皆さんエネルギーが溢れ出ているんですよね。企画段階はもちろん、当日お手伝いに来てくださる方も、「どうぞどうぞ持ってって〜!」というおもてなし精神が強い。地方イベントの理想形だと思っています。
-イベント企画から当日の運営まで、どんなメンバーで行っているのですか。
吉田:ひとつのイベントプロジェクトごとに、6人程度が中心となったチームをつくって動いています。メンバーはそれぞれ専門の業務を担います。私はクリエイティブ周りを担うクリエイティブディレクターですが、その他、受付などを行うカスタマー管理や、珍しいところではレースのコースを引くコースディレクターという役割もあります。そうした専門的なメンバーがチーフディレクターの元に集まっています。
-クリエイティブディレクターとして、吉田さんはどんな仕事をしていますか。
吉田:私は基本的にすべてのプロジェクトに絡んで、それぞれの制作物の制作を担当しています。制作するのは主に、告知のためのポスター・パンフレットやwebと、イベント当日に使用する記念品や会場装飾などの印刷物です。まずは「どんなものを作りたいか」という制作物のコンセプトや方向性から始まって、具体的に何を作るのかを決め、外部のデザイナーさんに発注して納品までを一括して見ています。もちろんイベント現場での運営サポートをしたり、撮影をしたりとなんでもやりますよ。
-仕事をしていて面白さを感じるのはどんな時ですか。
吉田:私自身、この仕事についてから長くなってきてるのですが、自分も周囲のクリエイティブ仲間もいい歳になってきて、「これはあの人にお願いしたい!」といろいろな仕事を頼めるようになってきました。それがとても嬉しいし、毎日楽しいですね。
-吉田さんの入社のきっかけはなんだったんですか?
吉田:私、学生時代にアルバイトで入ったのがきっかけで入社したんですよ。元々お祭り好きの性格で、イベント運営も大好き。「一生イベントやってたら、人生が楽しいままで終われるんじゃないか?」って考えていました。大学ではアートを専攻していたのですが、そこでも、ある対象に対して人がどんな反応をするか、というところに強い関心があったんです。
同じ時期に、周りの友達の影響で自転車も好きになっていて、そこをくっつけた仕事をしたいな、と探してみたらドンピシャな会社があった(笑)。
-それがルーツ・スポーツ・ジャパンだったんですね。
吉田:そうなんです!アルバイトの募集もしていなかったのに、履歴書を書いて送って。たぶんみんな驚いてたと思うんですが、「じゃあ次のイベントから手伝ってくれる?」と声をかけてもらって。本採用の話もイベントの現場で代表から声をかけてもらいました。
-大学時代以来ずっと当社で働き続けているのはなぜでしょうか。
吉田:もちろん一番には、旅が好き、自転車が好き、イベントが好き、ということがあります。その土地のことを知って、そこにしかない個性に触れて興味関心を刺激されるのは本当に楽しいです。それが仕事の中でできるのは大きな魅力ですね。
もうひとつ、この仕事を今も続けていられるのはメンバーの雰囲気が大きいと思います。フラットでとても風通しがいいんです。それは、地方イベントの現場にみんなで行くような会社だからかもしれません。何時間も移動しているうちに、仕事の話も、それ以外の話もたくさんするんですよね。移動がきっかけで打ち解けていくことが、会社のアイデンティティを作っているように思います。
吉田:いま、地方からの「これから街を盛り上げていきたい」というご依頼が増えています。地方にでかけていって、そうした思いをもつ皆さんと出会うことで生まれる企画もあります。そうやって新しい人と出会って新しいものを生み出せることも、この仕事の大きな魅力だと思います。旅が好き、地方に関心がある、という人にはきっと面白いはず!
私自身、今はリモートワーク主体で働いていて群馬に住んでいるのですが、「地方に関心が向いているな」と、いち地方の住民としても思います。「地方に住んでみよう」「関わってみよう」という人が、これから更に増えていくと思うんです。そうした流れの中で、「体を動かそう」という人が地方にも増えていくといいなと思っています。私たちの手がけるイベントが、そういう人たちのための場所になったら嬉しいですね。
-まさにビジョンの「スポーツを日本に根付かせる」を目指しているんですね。そのために、吉田さんはどんな風に仕事をしていきたいと考えていますか。
吉田:当社のクリエイティブは、イベントごとに締め切りがあるため制作スパンがとても短いです。でもその中でより良いデザインを追求しているのは、スポーツをやっていない人にも「かっこいいな、やってみたいな」と思ってもらえるようなものを作りたいから。
一番最初に目に触れるものとして、より良いものを作れるよう、デザイン力をもっともっと上げていきたいですね。いま、ルーツ・スポーツ・ジャパンは事業を大幅に拡大していて、新しいメンバーを募集中です。私と一緒にそこを担ってくれる仲間を待っています。
●募集要項
*現在、1DAY形式のDOスポーツイベントの企画・運営を行う「スポーツイベント部門」と、地域資源開発やスマホアプリを活用した期間型・通年型の事業などを行う「ツーリズム部門」に分かれて事業を行っています。
2024年6月現在は、主に前者の「スポーツイベント部門」に従事いただく方を募集しております。詳しくはこちらをご覧ください。