成功は、地道で泥臭い活動の先にある。地域や社外に“仲間”をつくり導く「コンテンツ・ディレクター」の心得とは
[事業紹介]イベント企画・運営ディレクター

[事業紹介]イベント企画・運営ディレクター

「スポーツ×地域活性」を主軸に、さまざまなスポーツイベントやキャンペーンの企画・運営、スポーツツーリズム文脈で自治体等へのコンサルティング・計画策定支援などをしているルーツ・スポーツ・ジャパン(以下、RSJ)。特にイベント・キャンペーン運営において推進役を担う「コンテンツ・ディレクター」は重要な職種です。今回はRSJでこのポジションを担う2名に、仕事のやりがいやポイントを語ってもらいました。
【聞き手・執筆/落合真彩(フリーライター)】

スポーツイベントの魅力「参加者のリアルな反応を得られる」こと

RSJが注力する「スポーツツーリズム」は、年々注目度が高まり、今後さらに伸びる領域と言われています。コロナ禍にあっても、RSJには続々と地方自治体からのオファーが寄せられたといいます。RSJ立ち上げメンバーの1人である栗原佑介さんは、長年この業界に携わり、業界を見続けてきた1人です。

 

 

栗原「前職で代表の中島と一緒に仕事をしていて、上司部下の関係でした。とてもよく面倒を見てもらっていた中島が2009年に会社を立ち上げるということで、僕はついていく形でこの会社にジョインしたんです。前職でもスポーツイベントの企画・運営を中心に、たまたま僕は自転車のイベントに携わってきて、そのままずっと関わり続けています。」

 

2012年に中途入社した橋詰友人さんは、2020年に一度離れるも2023年に再入社という異色の経歴を持ちます。その入社の動機は「参加者とのリアルな接点がある」こと。

 

 

橋詰「最初は2012年にCM制作会社から転職しました。CMの仕事も楽しかったのですが、完成した作品を見てくれる人の顔が見えづらいというもやもやを感じて転職活動を始めました。学生時代までスポーツをしてきたこともあり、たまたまRSJの募集を見つけました。当初から『スポーツ×地域』に強い思いを持っていたわけではありませんが、スポーツイベントというリアルな場所で、参加者の顔を見ながら仕事ができるところに魅力を感じて入社しました。」

地域との関係づくりから予算管理まで。意外と知らないディレクターの日常業務

ディレクターはそれぞれ担当地域を持ち、主に自治体をクライアントとして、市役所等の方々と連携していきます。

 1000人以上が集まるような大きなイベントから、スマホアプリを活用した小さなキャンペーンまで、ただイベントを開催するだけではなく、いかに街を盛り上げ、いかに地域にお金を落とす仕組みをつくるのか。これらを一緒に考え、サイクルツーリズム事業を先頭に立って推進していく役割を担っているのがRSJのディレクターです。

 1人あたりの担当地域は広大で、たとえば栗原さんは富士山周辺や伊豆半島、石川県加賀市の大型自転車イベント、東北などを担当しています。また、橋詰さんは出身地の東京近郊をはじめ、RSJを離れていた期間に移住していた岩手県陸前高田市で行われる「ツール・ド・三陸」という自転車イベントを担当。自身のルーツや経験、思い入れなどを生かせるのも特徴です。

 

 

ディレクターの方々がイベント当日以外にどんな業務をしているのか、イメージできない人も多いかもしれません。話を聞くと、具体的な日常業務では、地道な作業の積み重ねがカギであることがわかってきました。

別部隊として新規案件を企画するチームがあり、イベント実施が決まるとディレクターチームに話が降りてきます。そこから実施する地域の自治体はもちろん、地元のお店への協力依頼や調整、予算管理、外注スタッフの手配など、1つのイベントに関わる様々なタスクをディレクターチームで役割分担しながらこなしていきます。

 

栗原「以前は週の半分を出張に行くこともよくあったのですが、今はあまり多くありません。特にコロナ以降、オンラインで行う打ち合わせなどが増えてきたので、粛々とパソコンでマニュアルを作ったり、打ち合わせ資料を作ったりする時間が長いですね。在宅でリモートワークをする日も多いです。」

 

また、プロジェクト1つひとつ、社内でチーム組成するだけでなく、クライアント、外部の協力会社、そして地域住民と、ステークホルダーは多岐にわたりますが、それぞれとコミュニケーションを取り、調整していく細やかさが求められます。

 

橋詰「限られた予算とリソースの中で、いかに地域の人の思いを汲み取っていくか、いかに地域が盛り上がる企画にできるかなど、コンサル的な思考も大事です。継続してイベントを開催していくうちに、地域側の思いや課題も変わっていくので、そういう場合は、企画チームと一緒に新たな提案をしていくことはあります。」

やりがい・達成感は、隠れた苦労の先にある

地道で細かな業務が多いディレクター。ただ、イベントが成功に終わったときの達成感ややりがいはひとしおであるとそれぞれが感じています。

 

橋詰「イベントは当日が来るまで、イメージを描いては書き直し、また壊しては書き直しを繰り返して準備を進めます。そのイベントが、当日、リアルなものとして実現されるときは、ものすごく達成感があります。それぞれの頭の中にしかないものに対してみんなが笑顔で走ってくれて、地域の人が喜んでくれたり、やる気がなかった人が『やって良かった』と感じてくれたり、次の年につながったりしたときは特に嬉しいです。」

 

 

栗原「最近はアプリを使ったキャンペーンとして、期間分散型のイベントも増えてきました。その準備段階で、街の人と『このお土産屋さんでインスタ投稿してもらいたいね』とか『この宿泊場所で泊まってもらいたいよね』と考えて仕掛けを施していくんです。最近はSNSを通して参加者の反応が見えるようになってきたので、その仕掛けがしっかりと機能していることがわかりやすく、それが見えると貢献できているなと感じます。」

 

一方で、楽しいことばかりではないのも事実。橋詰さんは、入社当初の職場環境に課題を感じ、改善に取り組んだといいます。

 

橋詰「最初に転職してきたばかりの頃(2012年頃)は、みんな終電まで仕事しているのが普通でした。それだと働き方としても良くないなと思ったし、質のいい仕事ができていないと思って、改善に向けて動き始めました。最初は『22時までには絶対に帰る』みたいな感じで決まりをつくるところからでしたが、少しずつ働き方を変えることができ、今では定時で帰ることも当たり前になっています。3年間この会社を離れて戻ってきたときに『よくなっているな』と強く思いました。」

 

栗原「確かに当時は、ただこなすだけという感じで、いい仕事ができていなかったと思います。多少余裕をもって仕事ができるだけで、それぞれがアイデアを考えて持ち寄れるようになったと感じているので、橋詰さんが先頭に立って進めてくれてよかったなと思います。」

 

いちメンバーの課題意識から、会社全体が改善される。RSJの組織風土を表すようなエピソードです。

今後は自転車以外にも。ディレクターが見るRSJの未来

RSJでは「自ら動くこと」はRSJ SPIRITS1つとして掲げています。多くのメンバーがスポーツに対する想いを持ち、「自発的に」動いています。

中でも特にディレクターは、地域の人やパートナーと「仲間になる」ことが非常に重要。「ルーツ・スポーツ・ジャパンとしてだけではなく、1人の人として知ってもらって、相手のことも知って、仲間になることを心がけている」と話します。

「日常的な業務については、ある程度マニュアル化されているけれど、自分の味もしっかり出してほしい」(栗原さん)、「提案するにしても、メールを打つにしても、ただオペレーターとしてやるのではなく、自分個人としてどうしたいかという軸を持っていたい」(橋詰さん)というように、自発性、主体性は、ディレクターにおいて欠かせないものになっています。

 

最後に、2人から今後の目標を聞きました。

 

橋詰「自分の縁やつながりを使いながら、もっといいイベントに携わっていきたいです。また、会社としては良くなっている部分もありつつ、まだまだ整えていかないといけない部分もあるので、自分ができることがあればフォローしていきたいと思います。」

 

栗原「今は会社として強みがあるので自転車に注力していますが、今後は自転車以外のスポーツにも拡大したいですね。僕もスポーツが好きでこの業界に入ったので『ルーツ・スポーツ・ジャパン』(日本にスポーツを根づかせる)という社名を達成できるように、老若男女楽しんでもらえるようなイベントづくりを追求したいと思います。」

 

全員がスポーツに関わってきて、スポーツが好きな人が集まるRSJ。地域イベントの旗振り役であるディレクターたちは、今日も「日本にスポーツを根づかせる」というビジョンに向かい、地道な取り組みを重ねています。

 

●募集要項

【イベント企画・運営ディレクター】(正社員/経験者歓迎)