RESEARCH調査研究

スポーツツーリズムおよび市民参加型スポーツ全般についての調査研究を行っています。実務で培った経験・知見に加えて、定量・定性両面からの調査研究を行うことで、当事者の「肌感覚」を可視化・数値化していきます。それによって得られた示唆をもとに仮説を組み立て、具体的な事業や施策に活用することが目的です。大学などの専門機関の協力も得ながら行っています。

事例 1サイクリスト国勢調査2018

サイクリストが普段サイクリングに出かける先々で、どんなふうに行動し、どんなことを望み、どんなことに不自由を感じているのかを全国一斉調査を行い、集約した結果を行政や地域の事業者向けに「サイクリストのトリセツ」としてとりまとめた。「サイクリストのニーズ」と「地域のサイクリスト向け施策」のミスマッチを防ぎ、各地でのより効果的な施策につなげていくことが狙い。結果(サマリー版)は広く一般公開する。

▼調査概要

【実施主体】 全国サイクルツーリズム連携推進協議会
(代表団体:一般社団法人ルーツ・スポーツ・ジャパン)
※平成30年度 国土交通省観光庁「テーマ別観光による地方誘客事業」の一環として実施。
【調査期間】 2018年8月24日(金) ~
2018年9月25日(火)
【調査対象】
  • ・15~69歳の男女(10,000人)
  • ・一般サイクリスト(1,750人)
【調査結果】 2019年2月1日、調査結果(サイクリストのトリセツ)のサマリー版を公開しました。
詳細はこちらからご覧ください。
URL:http://www.tour-de-nippon.jp/series/topics/3718/
【調査によって得られた結果(一部抜粋・数字は全て仮説であり推計値)】
  • ・15-69歳の男女のうち、 サイクルツーリズムを経験したことがある人の割合は53.2%。人数としては、約4,143万人。
  • ・直近1年以内での経験者は20.3%。人数としては、約1,581万人。
  • ・サイクルツーリズムの国内マーケット(インバウンド含まず)は、年間約1,256億円である。
  • ・サイクルツーリズムで地域を訪れる際の予算は、1回あたり平均約3.1万円/人である。
  • ・地域での消費行動においては「価格が安いこと」を最も重視する傾向にあり、「自転車を安全に保管できること」や「フリーWi-Fi」といった、設備面も重視度が高い。また「その土地ならではの名物」を求めている。
  • ・走った地域について、84%が「自転車でまた走りに来たい」と思っている。77%が「この地域のことを友人にお薦めしたい」、69%が「自転車以外でまた観光しに来たい」と思っている。
  • ・地域を選ぶ時に「土地ならではの景観・絶景を楽しめること」を最も重視する。
  • ・サイクリストのセグメンテーションは「自転車の最頻用途」によって主に6つに大別できる。
【調査結果を踏まえた考察】
  • ・サイクリスト(自転車に乗る人)の思考特性/行動特性は、セグメント毎に大きく異なっている。サイクリストの地方誘客施策を考える際には、顧客をセグメント毎に捉えて個別具体的な施策をうつことが重要である。
  • ・サイクリストに向けた施策を企画する際には、まずは当地の地域資源や観光資源、既存施策を棚卸しして、セグメント毎にマッチングする作業から始めることが有効である。
  • ・各地域に対象を絞ったマーケティング調査の深堀りにより、より効果的な検証・施策づくりが可能となる。

※全国サイクルツーリズム連携推進協議会(代表団体:一般社団法人ルーツ・スポーツ・ジャパン)として、国土交通省観光庁「平成30 年度テーマ別観光による地方誘客事業」の一環として実施。

事例 2地方自治体における
サイクルツーリズム施策に関する調査

全国の地方自治体における「サイクルツーリズム(自転車・サイクリングを活用した観光交流振興)施策」の現状と取り組み意向、関連ニーズや課題について調査し、日本の「サイクルツーリズムを活用した地方誘客」に向けた調査研究や政策提言の基礎資料とするために実施した。

▼調査概要

【実施主体】 全国サイクルツーリズム連携推進協議会
(代表団体:一般社団法人ルーツ・スポーツ・ジャパン)
※平成30年度 国土交通省観光庁「テーマ別観光による地方誘客事業」の一環として実施。
【共同主体・調査協力】 東海大学押見大地研究室/北海道教育大学福原崇之研究室
【協 力】 一般社団法人日本スポーツツーリズム推進機構
【調査期間】 2018年11月20日(火) ~ 2018年12月20日(木)
【調査対象】 全国の都道府県・市町村 1,780(郵送法)
【調査結果】 1104部の自治体に回答をいただきました(回収率62.0%)。
2019年4月24日、調査結果のサマリー版を公開しました。
詳細はこちらからご覧ください。
URL:http://www.tour-de-nippon.jp/series/topics/4264/
【調査結果のまとめと考察】
  • ・サイクルツーリズム導⼊で⾃治体側が期待しているのは誘客効果であり、特に通年的な誘客を求めている。
  • ・通年的な誘客に向けた施策で実施率が⾼いのはハード整備とMAP制作。⼈材育成含めたソフト事業は実施率が低い。
  • ・通年的な誘客を求めていながら、通年的効果を測定できる指標は持てていない⾃治体がほとんどである。
    ⇒【考察】ただし⼀⽅で通年的効果が表れている実感は持っているので、指標化・数値化することが⾃治体のみならず業界全体の課題である。
  • ・課題や阻害要因として、ノウハウ不⾜や予算の確保の困難さ、マンパワー不⾜の値の⾼さが特に⽬⽴つ。
  • ・各施策のターゲット選定と戦略・戦術策定については全体的に改善余地が⼤きい。
    ⇒【考察】正しい戦略策定により、限られた予算を有効活⽤することが望ましい。

※全国サイクルツーリズム連携推進協議会(代表団体:一般社団法人ルーツ・スポーツ・ジャパン)として、国土交通省観光庁「平成30 年度テーマ別観光による地方誘客事業」の一環として実施。
※共同主体・調査協力:東海大学押見大地研究室/北海道教育大学福原崇之研究室